医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査結果
医師の働き方改革について、2024年4月から医師の時間外労働時間の上限規制等が適用開始されます。それに先立ち、準備状況などを把握するため、都道府県、調査対象病院に書面による調査を行いました。調査によると「多くの病院で時間外労働時間を把握すらできていないのが現状で、準備状況などを把握するのは困難である」とのことです。
調査では、診療科別の時間外・休日労働時間1 , 8 6 0時間以上の医師数、宿日直許可の申請・許可状況や、医師派遣の実施及び今後の派遣中止・削減予定の有無などの調査結果が報告されています。
詳しい調査内容や調査方法は出典の資料をご覧ください。
医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査 結果の概要
都道府県の調査結果(47都道府県)
• 医師の働き方改革による医療提供体制への影響の把握に関する取組を行っていると回答した都道府県は6都道府県(13%)で、
今後行う予定の都道府県を含めても28都道府県(60%)。
• 40都道府県(85%)において、小児・周産期・救急医療提供体制への医師の働き方改革の影響が把握できていなかった。
病院の調査結果(3,613病院。うち大学病院の本院82病院)
※全8,193病院の44%、大学病院の本院(防衛医大を含む)については100%
• 3,613病院のうち、副業・兼業先も含めた時間外・休日労働時間を概ね把握していると回答した病院は1,399病院(39%)。大学病院の本院82病院のうちでは20病院(24%)。
結論
• 現時点で時間外・休日労働時間を把握できている病院が4割程度のため、今回の調査では病院の準備状況等、総合的な評価は困難。
• 医師派遣に関する問では、回答する病院によって「派遣」の解釈にばらつきがあるなどの課題があった。
→今後、各病院における準備が進んでいくのにあわせ、改めて調査を実施し、病院の準備状況等への影響を把握する。その際は、質問の趣旨を明確化する等、調査設計についても見直しを行う。
出典:2022年6月3日 第88回社会保障審議会医療部会 資料
関連リンク
関連記事
日本在住の勤労者の60%が週休3日よりも柔軟な働き方を希望
米国クアルトリクスの日本法人、クアルトリクス合同会社は2022年9月6日、「柔軟な働き方と週休3日制に関する調査結果」を発表しました。 調査結果によると、「日本在住の勤労者の60%が週休3日よりも柔軟な働き方を希望してい […]
公立学校教員の採用倍率【1979年~2022年】
文部科学省では、都道府県・指定都市教育委員会及び大阪府豊能地区教職員人事協議会(計68)が実施した公立学校教員採用選考試験の実施状況について、毎年度調査を行っています。 調査報告では「公立学校教員の採用倍率の推移」や、「 […]
ワーケーションに関する意識調査ワーケーション推奨企業は1割未満
「ワーケーション」(地やリゾート地でテレワークを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方)という言葉や働き方がどれほど浸透しているか、また働く時間・場所に対してどんな価値観を持っているのかに関して、株式会社ワークポートが調査を行い公表しました。
労働力調査(詳細集計:2022年1~3月期平均)
総務省は5月13日に公開した労働力調査(詳細集計:2022年1~3月期平均)によると、非労働力人口は4182万人と,前年同期に比べ2万人の増加しました。